こんにちは。株式会社RINでは、7月中旬、東京堂の生産現場と加工工場へ視察に行ってきました。株式会社東京堂は、造花やドライフラワー、インテリア雑貨を扱う卸売業と小売業を営んでいます。5年ほど前、代表の河島が起業した時から交流があり、このたび念願だった視察が実現しました。参加者は、代表の河島、中丸、清水、アンバサダー6名。今回も弊社のアンバサダーの岩田さんが、中丸にインタビューした時の様子をお届けします。
生産現場での気付きや、綺麗なドライフラワーを生み出す秘訣など、ぜひ最後までご覧ください。
岩田)中丸さん、本日は宜しくお願いします!視察には、どこに行かれたのですか?
中丸)株式会社東京堂の生産現場と加工工場は、長野県東筑摩郡、朝日村にあります。まず、生産現場を見学したのですが、とても広くてビックリ!栽培面積は、駐車場2000台分の面積に相当する2.5haだそうです。7月中旬だったので、ひまわりをはじめ、小町桔梗、ラムズイヤー、ソラナム、アーティチョーク、桔梗、ヒメヒマワリ、ローナス、スカビオサなど、沢山の植物が育っていました。当日は、お天気にも恵まれ、青空の下、生き生きとした植物が見られましたよ。

岩田)とても広大な敷地で生産されているんですね。農家さんのお話はいかがでしたか?
中丸)農家さんによれば、「異常気象で生産がとても難しい。暖冬で雪が降らなくなってしまうことで、本来であれば降雪によって、土の中で冷凍保存されているはずの苗が、春先にダメになってしまったりする。」と頭を悩ませていました。「年々気候が変化しているから、植える苗も見極めています。収穫も、早朝に作業しないと熱中症になってしまうから…」と。
岩田)農作業は、どうしても天候に左右されてしまいますよね。これだけの規模で栽培されていると、なおさら。生産現場の見学で、中丸さんが特に印象的だったことはありますか?
中丸)2つあります。1つめは、ソラナムパンプキンのトゲの多さに驚きました。葉の裏にまで、トゲが無数に蔓延っていて。農家さんによれば、ソラナムパンプキンは、今年から挑戦した植物だそうです。「こんなにトゲがあるとは知らなかったよ~。収穫が大変だな(苦笑)」と仰っていましたね。笑


岩田)たわわに実る、艶やかなミニカボチャ…という出荷後のイメージが強かったので、トゲがあるとは、私もとても意外でした!もう1つ、印象的だったことは何でしょうか?
中丸)アンバサダー含め、参加者の心を掴んだ植物が、キキョウ科の小町桔梗(コマチキキョウ)でした。紫色の蕾が、風船みたいに膨らんで、花は開かないそうです。可愛くて、みんな立ち止まって写真を撮っていましたね。加工工場でも、ドライになった状態を見せてもらいましたが、膨らんだ状態で乾燥されていました。東京堂のスタッフによると「綺麗にドライフラワーになったけれど、この状態をキープしながら、梱包して、東京まで輸送できるか…やってみないと分からないですね!試行錯誤中です。」と仰っていましたね。


岩田)なるほど。様々な品種を植えて、トライ&エラーしているんですね。加工工場の見学はいかがでしたか?
中丸)加工工場では、前述した小町桔梗や、ルリタマアザミ、アーティチョークを見かけましたね。収穫したばかりの新鮮な花を、その場でどんどん束ねていき、棒に吊るして、奥から並べていくという手順でした。コンテナで乾燥させるか、葉たばこの乾燥機を使って乾燥させるか、使い分けながら加工しているそうです。葉たばこの乾燥機は、温度と湿度をコントロールできるそうで、ドライにする花によって管理していて、研究を続けているそうですよ。


岩田)葉たばこの乾燥機でドライフラワーを作っているんですね!やはり、ドライフラワーを作るには、乾燥のスピードが大事なのでしょうか?
中丸)うーん。一概には言えないですね。RINでも、急速に乾燥させるより、時間をかけたほうが綺麗な仕上がりになる花もあります。急に水分が抜けてしまうと、繊細な作りをした花は壊れてしまったり、潰れてしまうことも。ある程度、空気中に湿度があったほうが、花の水分が抜けやすい、ということもあります。これは、人間が水分補給をしてからサウナに入るのと一緒ですね。(笑)
岩田)例えが分かりやすい!(笑)
中丸)ありがとうございます!(笑)

岩田)失敗もありながら、ベストな乾燥方法を見極めているんですね。
中丸)そうですね。あれだけの規模で栽培していると、乾燥機が空く前に、花の収穫適期がきてしまって、乾燥待ちの生花もでてくるそうです。その流れを上手く管理するのが「とても難しい…」と仰っていました。

岩田)確かに。この気候も相まって、自分たちが意図しないタイミングで、収穫時期がきてしまうこともありそう。この暑い時期、外で作業する農家さんには頭が下がります…
中丸)RINとしては、東京堂も含めて、今後も全国の農家さんに足を運ぶ予定です。私たちは加工の部分しか携わっていないので、積極的に学びにいかないと知ることが出来ない部分が、生産現場にはあります。どのように生産されて、収穫されて、私たちの手元に届くのか。農家さんでお聞きした内容を、装飾やノベルティとして表現したり、ワークショップでお客様に直接話したり…農家さんの想いをしっかり伝えていきたいですね。
岩田)生産現場を見ることで、加工への思い入れも異なってきますよね。
中丸)ソラナムパンプキンが手元に届いた時は、感動すると思います。無数のトゲがあるのに、それを誰かが一生懸命に取り除いてくれたんだと思うと、感謝の気持ちが芽生えますね。下処理の段階を知らなかったら、1つトゲが残っていただけでも「痛い!」と思ってしまっていたかも。(笑)だから、どんどん農家さんに会いに行き、体感することで、花への向き合い方を変えていきたいですね。
岩田)今回、参加した皆さんの反応はいかがでしたか?
中丸)福井からいらっしゃったFleur maruさんは、このように仰っていました。「長野と福井の湿度の違いをとても体感しました。綺麗なドライフラワーに仕上げるためには、温度と湿度の調整、保管の難しさなど、手間ひまがかかっていることも分かり、とても勉強になりました。」埼玉からいらっしゃったmoon_driedflower_interiorさんは、「今回の見学を参考にしながら、花の水分量によって、乾燥方法を変えてドライフラワーを作ってみようかな!」と意気込んでいます。
岩田)それは企画して良かったですね。日頃からドライフラワーを扱う皆さんにとっても、有意義な時間になったはず!また、見学した際はお話聞かせてくださいね。
